大谷石のお墓のリフォーム。ステンレス製塔婆立を取り付けました。狛江市の寺院墓地
2017年10月7日(土)
川崎市多摩区の吉澤石材店、吉澤光宏です。
気温も下がり、すっかり秋めいてきましたね。昨日は狛江市のお寺で基礎工事を行い、あわせて別のお墓にステンレス製の塔婆立てを建ててきました。
お墓は大谷石製の外柵。写真からもわかるように一部が傷んできています。
たとえ石でも、年数が経てば少しずつは傷んでくるもの。その傾向は御影石のような花崗岩より、凝灰岩である大谷石のほうが顕著です。(※石の良し悪しではなく性質に因るもので、いわば宿命でもあります)
角の部分は細工を施したりしてあるので、真っ先に崩れたりすることが多い部分です。また塔婆立てのような細長い部材も同じこと。
柱本体が折れたり、金具を取り付けてある部分が崩れたりすることがあります。今回のお墓でも、金具が外れて落ちてしまいました。
これ、実はご相談いただくことが結構多い事例のひとつなんです。
この状態になると、金具を再び取り付けても本当に一時しのぎになってしまいます。塔婆がさされば必ず補修した部分に負担が多くかかります。大風でも吹けば余計にそうです。
かといって、傷んだ塔婆立てを外し、大谷石あるいは御影石で作り直すことも少し心配です。
なぜならば、土台部分の大谷石だってそれなりに傷んできているからです。
塔婆立てのような細長い部材は、基本的にダボ(芯棒)を入れたり、ホゾと言って突起状の加工をして取り付けるべきものです。その加工は弱った大谷石をさらに痛めつけてしまうことにもなります。
こんな時、もちろん外柵の全面改修(リフォーム)をするのがベストな選択かもしれません。ですが色々な事情で、すぐにお墓に手をつけることがはばかられる場合もあるわけで・・・。
そこで今回は、ステンレス製柱の塔婆立てを取り付けてみることにしました。
この塔婆立ては地面(盛り土)に穴を掘り、そこにコンクリやモルタルを入れて脚の部分を固定するタイプ。手軽ですし、一時的にしのいでいくのにはとても適したものです。
「一時的に」と書いてしまいましたが、実際には結構しっかりした作りになっています。塔婆の枚数もそれなりに納められますし、柱の間隔もいろいろとサイズがあります。
擬宝珠もついて見た目も悪くなく、恒久的に使っていくのにも十分。なので実際に新しいお墓で使うケースもあります。
こちらのお墓では、石塔の裏側に十分なスペースがなかったために左側面に据え付けてきました。(コンクリートが硬化するまで仮止めしてあります)
こちらのお墓以外にも、大谷石の塔婆立て破損でもう一件別のご相談をいただいています。ステンレス製塔婆立てが活躍する場も増えてきそうですね。
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