お墓に生えた木を9年放置したら、こうなった。

2026年1月13日(火)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

昨日、近くで納骨の仕事がありました。
その際に、以前から気になっていたお墓の前を
通りました。

外柵内に、木が生えているお墓です。

実はこの木、2016年12月の時点で
すでに生えていました。

当時撮影した写真が残っていたので、
今日はその話をしてみます。

2016年12月の状態

これが2016年12月の写真です。
右側に見切れているお墓のあたりに、
小さな樹木が見えます。

おそらく鳥の糞から発芽した、
いわゆる実生(みしょう)の樹木です。

大谷石の外柵の、羽目石と墓誌台の
継ぎ目から出ています。

この時点で、すでに根は
外柵の隙間に入り込んでいたはずです。

もう、手で抜くことはできない段階です。
ただ、まだ何とかなる段階でした。

墓参のたびに幹から出る新芽(胴吹き)を
切り続ければ、弱らせることができます。

今ほどひどくはならなかったでしょう。

でも、そのままにされてしまったようです。

そして2026年1月(現在)

同じ場所です。横から写しました。

樹木は高さ2〜3メートルに成長しています。
幹は太く、根は深く広がっています。

そして、墓誌が前に傾いています。

これはすでに、『景観』の話ではなく、
もう『危険』の段階です。

昨日、この近くで納骨の仕事がありました。
通路にはみ出していた枝が、とても邪魔でした。

本当は、石屋といえども他所のお墓の樹木を
勝手に切るのは、はばかられます。

しかし、通路にはみ出て
通行に支障をきたすのでは仕方ありません。

持っていた植木ばさみで切り込みました。
切った枝は一抱えもありました。

それでも、この状態です。

お墓の樹木の厄介さ

お墓に生えてくる樹木は、
広いところに生えるのではなく、
このようなすき間から出てしまうことが多い。

パッと見は小さく見えても、
根はすでに入り込んでいて、
人力では、簡単に引き抜けません。

特に石の継ぎ目という、
構造上必ず存在する隙間を見つけると、
そこに根を張ります。

大谷石は軽く加工しやすい反面、
圧力に弱い性質があります。

根がじわじわと押す力に、
石は少しずつ動かされます。

9年という時間

2016年以降、このお墓には
何度お墓参りの機会があったでしょうか。

お彼岸、お盆、命日。
年に4回とすれば、もう、30回以上。

その都度、この樹木は目に入っていたはずです。

「まだ小さいから」
「次に来たときでいいか」
「誰かが切るだろう」

そう思っても、責められません。
普通の判断です。

ただ、「次」は来ず、樹木は残りました。
確実に大きく育ちながら。

2016年の段階なら、
胴吹きを切り続ければ、枯れたかもしれません。

ところが、時間は待ってはくれません。

そして2026年、一抱えもの枝を切っても、
この通りです。

この段階になると枝を切るだけでは済みません。
幹を切るのも大変です。

そして、根が石を押している以上、
構造的な対処が必要です。

石を外して、根を切って、石を据え直す。
場合によっては、外柵の補修も
必要になるでしょう。

つまり、石屋を呼んで工事をする段階です。

ただ、経年劣化した大谷石は
その工事には耐えられないでしょう。

なぜ放置されたのか

理由はわかりませんが、この状態を見ると、
「気づいていない」ことはなかったであろう
と思います。

枝は通路にはみ出し、
左隣のお墓にも、大きく覆いかぶさっています。

本来なら、どこかの時点で誰かが手を入れても
おかしくない。

でも、少なくとも私は「手が入った形跡」
を感じませんでした。

つまり、少なくとも今の状態を見る限り、
長い間、手が入らなかった。

なぜそんなことが起きるのでしょう。

お墓は毎日、目に入る場所ではありません。

「次でいいか」が積み重なると、
気づいたときにはもう遅い。

そして、大掛かりな「工事」になります。

いずれにせよ、これだけは言えます。

樹木の放置は、時間をかけて
「手に負えない」事象に変わります。

もちろん、自然が悪いわけではありません。

樹木は成長し、根を伸ばし、
生きるために周囲を押していきます。

一方、いくら堅牢に作られたお墓でも
限界はあります。

ある程度までは、動かずに耐えますが、
いずれは押され、動かされます。

「まだ何とかなる」と「手に負えない」の境界

2016年は「まだ何とかなる」側でした。
2026年はもう「手に負えない」側です。

その境界はどこにあったのかは、もうわかりません。
通り過ぎてからしかわからないのです。

だから、「まだ何とかなる」うちに、
何とかするしかないのです。

お墓参りのときに

石の継ぎ目・すき間から何か生えていたら、
「次でいいか」ではなく
「今、切ろう」と思ってください。

「次のお墓参り」が実際にいつになるか、
考えてみてください。

春彼岸に来たら、次はお盆か秋彼岸。
5、6か月後です。

秋彼岸なら、次は暮れか正月。
3、4か月先になります。

こう考えると、結構先です。
そしてその間、樹木は確実に育ちます。

樹木の生育は思ったよりも早い。
特に成長していく時期ならなおさらです。

細い木が生えていても、
手で抜こうとすると、びくともしないことも多い。
見た目以上に、根は張っているのです。

ハサミでも、手でもぎ取るでもいい。
それを墓参のたびに続けてください。

時間が経った後、
「あのとき切っておいてよかった」と思うか、
「あのとき切っておけばよかった」と思うか。

大きな違いだと思います。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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