狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム⑦|外柵完成、間近!
2025年11月27日(木)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
狛江市の寺院墓地で進めている
外柵リフォーム工事。
今回は敷石の据え付けから、羽目石と塔婆立ての
据え付けまで進めた作業をご報告します。
この工程で、外柵工事はほぼ完了となりました。
敷石の据え付け
前回、納骨室を据え付けたところまでお伝えしました。
その後、勤労感謝の日の23日に休日出勤して、
納骨室に取り付ける補強金具の本締め作業と
棚石の据え付けを行っておきました。
なので、今日はすぐに敷石の据え付けに取り掛かれます。
敷石は厚み1寸5分(約45mm)で、外柵根石の
一部を切り欠いたところにはまり込む
仕様になっています。
これにより、敷石が根石にしっかりと収まり、
すっきりとして、見た目にも美しく納まります。
また、構造としてもかみ合わせになるので
強固になると思います。
4枚の敷石になりますが、目地幅を揃えて丁寧に
配置していきます。
弾性接着剤とエポキシ系接着剤を併用し、
石同士をしっかりと接合します。
エポキシ系接着剤は、普段あまり使いません。
今回使う理由は、敷石の重さを受け止めるため。
つまり、接着を期待するのではなく、スペーサー
としての効果を期待しています
敷石が据わると、墓所外柵の形が
一気に見えてきます。
そして同時に、これまで丁寧に施工してきた
補強金具やアンカーなど、手を入れた部分は
全く見えなくなりました。
見えなくなるからこそ、しっかりと施工する。
それが石屋の仕事だと、改めて実感します。
羽目石据え付け前の準備が肝心
さて、敷石がすべて据わったら、
次は羽目石と塔婆立ての据え付けです。
ただし、すぐに据え付けるわけではありません。
隣接したお墓がある場合、何も考えずに羽目石を
据え付けてしまうと、外側(つまり隣接墓所側)
の目地の施工が難しくなることがあります。
手も道具もまったく入らなければ別ですが、
見えるのに手が届かない、そんな場合でも
できうる限り、コーキングで目地を行いたいです。
マスキングテープは剝がしやすさを念頭において
据付け前に部材に貼り、目地の施工が少しでも
楽にできるようにします。
ただ漠然と据え付けるのではなく、施工性も
よく考えながら。
据え付ける前の準備が大切なのです。

弾性接着剤で羽目石の据付け。 裏のお墓との間になる、裏側の目地も何とか施工できました。
羽目石の下端には、雨水を外に排水できるよう、
水切り(あるいは水抜き)加工を施してあります。
敷石仕上げの外柵では、雨が降ると雨水の逃げ場が
ありません。
大雨であれば手前側に水は逃げますが、
この切り欠きがあることで、雨水が外柵の内側に
溜まらず、外に流れ出やすくなります。
写真で、黄色いマスキングテープが貼ってある
のがわかるでしょうか。
これは、その部分の位置を出しているんです。
羽目石を据え付けた後、割り箸を使って
切り欠いた部分に突っ込み、はみ出た弾性接着剤
を押し込みます。
そして均した後に、マスキングテープを剥がすと
綺麗に目地ができる仕組みです。
据え付け終われば手が入らない部分だから
こそ、事前にしっかりと接着剤を配置する。
こうした工夫が、後々の水漏れや劣化を防ぐ
ことにつながります。
そうした準備を終え、はじめて羽目石を
据え付けていきます。
羽目石や塔婆立ての据え付けは、弾性接着剤
のみを使用します。
御影石同士は弾性接着剤との相性が良く、
接合面の掃除をしっかりと行えば、強固に接着
できます。しかも、柔軟性を持たせながらも
しっかりと固定できるのです。
水平と垂直を確認しながら、目地幅を整えて
丁寧に据えていきます。
そして最後に、塔婆立てを据え付けます。
塔婆立ても、芯棒を入れてしっかりと固定し、
傾きがないように、水平器でしっかりと確認。
これで、外柵工事はほぼ完了です。
形が整ってきました

御影石の外柵が美しく仕上がりました。
中央に配置された納骨室、そして敷石、羽目石、
塔婆立てまで、すべて据わりました。
あとは、現在磨き直しに出している既存の8寸角
和型石塔を据え付ければ、お墓の形としては
完成です。
ただし、石塔が戻ってきた後には文字彫りなどの
作業も残っています。そのため、この現場は
一旦ここで切り上げて、他の現場作業を進める
ことにします。
見えなくなる部分への配慮
今回の作業で特にお伝えしたかったのは、
羽目石を据え付ける前の準備です。
据えてしまえば見えなくなる部分、
手が入らなくなる部分にこそ、事前の工夫と
配慮が必要です。
こうした一つ一つの積み重ねが、
長持ちするお墓づくりにつながっていきます。
言葉で安心を売るのではなく、仕事で安心を
残す。
そんな思いを、これからも大切にしていきます。
石塔が戻ってきたら、また続きを書く予定です。
では。
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