狛江市の寺院墓地で外柵リフォーム①|御影石の外柵へ

2025年11月6日(木)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

一昨日より、狛江市の寺院墓地にて外柵のリフォーム工事にとりかかり始めました。

今回の墓所は、昭和39年(1964年)に建立されたお墓。
60年という歳月を経て、今回新たな姿に生まれ変わります。

改修前の墓所全景。白河石製の外柵と真壁小目石の石塔。このあたりでよく見かける組み合わせです。

もともと「石塔の磨き直しと、外柵内の雑草をどうにかしたい」
というご相談でした。

このお墓は他の石材店さんによる施工ですが、ご縁をいただき、現状を調査。
石塔の状態、外柵の劣化具合などを細かく確認しました。

寺院墓地という立地もあり、隣接する墓所との距離も近く、工事の進め方にも配慮が必要です。
まずは外柵をそのまま活かし、必要な部分だけの見積もりをお出ししました。

そしてその後、施主様から「外柵もだいぶ傷んでいるが、どうしたものか」
という再相談を受けました。

現状で大きな崩れや傾きがあるわけではありません。
ただ、石のズレ、目地の剥がれなどの劣化は進んでおり、石そのものにも風化が見られます。

目地の間からドクダミが。すき間ができている証拠です。

石の目地部分には、少しズレも見られました。

いま石塔を直して墓誌を建てても、いずれ近い将来に、今度は外柵の補修が
必要になる可能性はあります。

つまり、部分的に直すか、全体を一度に直すか。
費用が掛かることなので、悩ましい部分ではありますが、
その選択をせねばならない状況だったと思います。

私からは両方の選択肢のメリット・デメリットを正直にお伝えしました。
今回は石塔だけにして外柵は様子を見るという選択もあります。

ただ、数年後に再び工事となれば、その時に最近の施工で据え付けた石を
外すことになります。その手間から考えると、やはり一度に外柵まで直す方が
現実的な話になろうかと思いました。

最終的には「どうせやるなら、次の世代まで安心して使える形に整えよう」
というお話にまとまり、今回の全面的なリフォーム工事となりました。

現場ではまず、福島産の白河石製の外柵を解体からです。
寺院墓地という立地上、狭い区画のため、小型バックホーとカニクレーンを
組み合わせ、できるだけ安全かつ効率的に作業を進めています。

旧外柵の解体工事、着工です。

盛り土の搬出中の様子。

そして隣接する墓所や通路に影響が出ないよう、養生もしっかりと行います。

今回は基礎部分も含めてすべて撤去が必須です。
その後に土を掘削して砕石を入れて転圧、配筋をして基礎コンクリート打設
という流れになります。

茨城県産の真壁石石塔については、丁寧に取り外した後に再研磨。
手加工された部材を今の基準の工事に合わせ、細かな加工も行います。

石の下端部分は手加工(のみ切り)時代のもので、やや凹凸がありました。
この部分を平滑に整え直すことで、接着剤の密着性が高まり、
より安定した据え付けが可能になります。

60年前の石でも、きちんと手を入れればまだまだ使えます。

正面の文字は一度切削・研磨し、新しい家の名を彫刻します。
姓は変わっても、そこに込める思いは続いていく。
お墓とは、そういうものだと思います。

完成後は、白系の御影石で統一した外柵に、再研磨された石塔と
新しい墓誌を据えた落ち着いた印象の墓所となる予定です。

今回提出した完成予想図。間口を広くとってお参りのしやすい形へと変わります。

新しい石材で建て直すのではなく、もともとの石塔を活かすことで、
60年の歴史も一緒に引き継ぎます。

御影石の外柵は耐久性に優れ、コンクリートのように経年で表面が劣化することもありません。
また、目地をしっかり施工することで、雑草が生えにくく、お手入れもしやすい仕様になります。

もともとのお墓の形を尊重しながら、現代的な耐久性と清掃性を備えた仕様へ。
それは時間を断ち切るのではなく、受け継いでいくということ。

60年前にこの石塔を建てた方が大切にしてきたものを、新しい家族が繋いでいく。
そのためのリフォーム工事として、しっかりと仕上げてまいります。

また経過報告などしてみますね。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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