伝統とは何か――日大駅伝とお墓文化から考える
2025年11月4日(火)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
一昨日、第57回の全日本大学駅伝が行われ、
私の母校である日本大学も、3大会ぶりに出場しました。
日大は箱根駅伝でも総合優勝の回数が第3位に位置する駅伝の名門校です。
私は駅伝にかかわっているわけでも何でもない、ただの一学生でしたが、
やっぱり母校は応援します。
ただ、私が見始めてからは総合3位や4位になることはあっても、
箱根駅伝では昔のような総合優勝をすることはなかった。
いつかは優勝するのを見たいと思って毎年応援してきましたが、
その日はなかなかやって来ません。
やがて留学生ランナーが登場し、爆発的な走りを披露。でもほかの選手がブレーキに
なったりで、他大学のように成績に直結することもなく…。
そして気が付けば監督の交代が頻繁に起こり、年を追うごとに成績も低下。
ついにはシード権を落とすようになり、時に予選会敗退――それが「時に」ではなくなり
数年続けて本戦に顔を見せることもなく。
ついには名門ではなく「古豪」と呼ばれるようになってしまいました。
どれだけ伝統があって、実績があっても、迷走しだすと特定の個人の頑張りでは
どうにもならず、負のスパイラルに陥ってしまう。
そのことを母校が身をもって証明してしまったようで、秋から正月の楽しみが
ほとんど潰えた実感がありました。
伝統とは、かくもはかなくもろいものか。
組織の伝統も、文化の伝統も、人の手で守り続けなければ
維持できないという点では同じかもしれません。

この母校の姿を通じ、私は自分の仕事であるお墓のことを考えていました。
日本人が培ってきたお墓文化という伝統にも、同じことが言えないだろうか。
家族構成の変化や情報過多、そして経験の不足(核家族化で家族の死を身近に感じることが
なくなってしまったこと)。こうした社会の変化は、駅伝でいえば選手構成の変化や
選手層の低下に近いのかもしれません。
近年の実績ゆえに他大学とのスカウト合戦に勝てず、成績が上がらないことによる
モチベーションの低下――そうした悪循環に置き換えても違和感がないように思います。
一度崩してしまうと元に戻すのには莫大な労力と時間がいる。
いや、それで戻ればいいけれど、戻るという保証はどこにもない。
世の流れは、「これからのお墓は――」というように、どんどん本質を変えてしまうような
方向に向かって流れている。 それが国のアイデンティティにもつながってくる文化なら
なおさら大事なことであるのに。
私は思う。今、現象的に顕在化していることは時代の流れで取り入れるものは取り入れ、
変わっていくのは自然だ。
しかし、本質的な部分が変質すれば、それはすでに日本人のお墓としては
成り立たなくなってしまう。
一度立ち止まり、在り方をよく確認することが大事なのではないだろうか。
おそらく今、お墓文化を継承していけるかどうか、私たちはその瀬戸際に
立っているのではなかろうか。
――さて、日大の駅伝の話に戻ろう。
最初にも書いたように私は日大卒というだけで全くの部外者だ。
表に出てこない情報も数多あろうから、そんな部外者はいい加減なことは言えない。
ただ、嬉しいことに少し風向きが変わってきたように感じさせてくれる部分がある。
2023年に新雅弘監督が着任し、2年連続で箱根予選会を突破。
さらに今年は11月2日に行われた、全日本大学駅伝でも予選突破しての本戦出場。
シード権こそ逃したものの第10位という成績をおさめてくれた。
以前の感覚では惨敗であったような順位だが、今の日大には価値ある順位だったと思う。
すべてのサイクルがよい方へ向かって動き出す、そのきっかけになるような
ここ2~3年であってほしいと心から願う。
伝統の陰に隠れた悪しき頸木からのがれ、変革をしながらも本質は変えない。
「あの低迷からよく日大は変わったな、すげえな」 そう周りから思われるようになってほしい。
いまだ復活途上にいるわが母校には、そんなことを期待したい。
では。
![]()
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
現地確認。お見積り・ご提案はすべて無料です。
(有)吉澤石材店 吉澤光宏
ご相談・お問合せは、お気軽にどうぞ。
電話 044-911-2552 (携帯転送なので外出先でもつながります)
メール お問い合わせフォーム


