緑ヶ丘霊園4㎡墓所工事④|洋型石塔の据え付けと完成

2025年10月29日(水)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

本日は緑ヶ丘霊園4㎡墓所の完成について書いてみましょう。
10月7日に着工してから一連の作業の様子は下記の関連記事をご参照ください。

前回の記事で外柵(がいさく:お墓の囲いの部分)までが完成したこちらのお墓ですが
昨日に芝台(しばだい:石塔の台になる石)と納骨口の縁石の施工
そして今日は文字彫刻が済んだ棹石(さおいし:通常○○家の墓などと文字を彫る石)
などを据え付けてきました。

芝台と縁石の据え付け

芝台は石塔(台石・棹石)を支える土台となる部分です。ここがしっかり水平に据わっていないと
棹石も傾いてしまいます。事前に石の寸法を正確に測り、丁寧に位置を決めて据え付けます。

写真①:三種類の接着剤を併用して据え付ける

ここで芝台の据え付けでは、箇所に応じて以下の3種類の接着剤を使い分けます(写真①)。

  • エポキシ系:固まると硬化するので、石塔の重さを受ける芝台の下などに使う
  • 変成シリコン系:接着力と追従性のバランスが求められる目地部分や石同士の接着に使う
  • ブチル系:粘着性が高く、対候性が高く完全硬化しないため、瞬間的な力(地震など)に対応できる

それぞれの接着剤には得意・不得意があります。
「何でも万能な接着剤」を使うのではなく、その箇所に最適なものを選ぶ。

私は、これが長持ちする墓所を作る基本だと考えています。

あわせて納骨口の縁石も同時に据え付けます。この縁石は納骨室の開口部を囲むもので
蓋石を受けるだけではなく、敷石上に降る雨を納骨室に浸入させないための
重要な役割を持っています。

写真②:外柵の完成と芝台・縁石の据付け終了

そして、無事に予定の作業を終了しました。芝台と縁石が据わり、あとは棹石を残すのみです。

洋型石塔の完成と工事完了

さて、今日はいよいよ、お墓の顔となる洋型石塔の据え付けです。

芝台の据え付けと同様に接着剤を使い分けます。
ただしここから上の石塔部分は、変成シリコン系とブチル系の接着剤のみを使用し、エポキシ系は使いません。

石塔の台石や棹石は底面積が限られています。
地震などの揺れに対応できるよう、変成シリコン系とブチル系の接着剤をたっぷりと使用します。

写真③:変成シリコン系とブチル系の接着剤を組み合わせて使います

据え付け前の写真では接着剤が団子状に盛られていますが、石を載せて高さを調整すると
接着剤は底面いっぱいに広がります。

こうすることで、限られた底面積でも十分な接着力を確保でき
地震などの揺れにもしっかり対応していけます(写真③)。

写真④:棹石の据え付け作業

台石や棹石も水平器で水平を確認し、位置はさしがねで何度もチェックしながら、正確な位置に据えていきます。
石塔は墓所の中で最も目立つ部分。わずかなズレも見逃せません(写真④)。

完成

こうしてすべての石の据付けが終了し、今回の緑ヶ丘霊園4㎡墓所が完成しました(写真⑤⑥)。

今回は、お客様のご要望で、いつもよりも一回り大きめな洋型石塔となりました。
やっぱり大きくて存在感があると感じます。

写真⑤:完成(正面から)

写真⑥:完成(左斜めから)

10月7日の着工から約3週間。雨に阻まれる日もあり、予定より時間はかかりましたが
焦らず丁寧に進めてきた工事が無事に完成しました。

洋型石塔は濃い目のグレーのインド産M10、外柵は白御影石のカンボジア産OW-1です。
濃い目の石塔が明るい外柵に映えますね。シンプルで品のある墓所に仕上がったと思います。

入口の段差も低く抑え、とてもお参りがしやすいお墓の完成です。

見えない部分の補強金具、接着剤の使い分け、雨天時の判断――すべては品質の高いお墓を
作れるよう、配慮をしながら取り組んできました。

お客さんへの完成報告が楽しみです。
このたびは吉澤石材店で建墓いただきまして、本当にありがとうございました。

では。


【関連記事|緑ヶ丘霊園4㎡墓所工事シリーズ】

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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