お墓の力と役割について(後編)――死者と生者を結ぶ力

2025年10月28日(火)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

前回記事に引き続き、2018年にデジタル雑誌『ENDMAG』(現在は廃刊)に寄稿した文章を記します。ぜひご覧ください。

4.巷にあふれるお墓に関する情報を考える

先にも触れたとおり、エンディングに関わる書籍や報道などは、本当に増えました。そこでの報じられ方は本当にいろいろ。実際に参考になる情報もありますが、センセーショナルに煽り立てるような無責任なものもあって、玉石混淆のありさまを呈しています。

いい悪いは別にして、見方によっては、バブル期のデートマニュアル本のような印象を受けるものも見かけます。恐らく誰もが避けて通れない問題。気になるけど、どこで情報を得ればいいのかわからない。そう感じる人たちが、手にしやすい印象を持つのでしょう。

ただしマニュアルはあくまでもマニュアルの域を出ません。自分のケースに当てはまるかどうかは、全く別の話です。流行に影響されて判断するのではなく、自分の抱える事情と本質的な問題点を知るべきです。それに合わせた考え方をしていくことが大切ではないでしょうか。

5.お墓とは何か。そしてその役割とは

お墓とは、いったい何でしょう。現実的な話をしてしまえば、お墓はそこにお骨を納めてある場所です。そして石塔(墓石)はあくまでも石であり、物です。ですが、石でできた形と納骨施設があれば、それが即ちお墓かと言えば、決してそうではないと私は考えます。

何を言いたいのかといえば、つまり、お墓とは単に形や様式で量れるような、薄っぺらなものではないということです。手を合わせお参りすることをイメージしてください。あなたがそこに見ているのは、物としての墓石ですか? 恐らくそうではないですよね。意識せずとも、亡くなった人を、あるいは先祖(会ったことはなくとも)を見ていることでしょう。

そう考えると、石塔は亡くなった方そのものであり、お墓は「その人と会える貴重な場」であることが理解できるのではないでしょうか。そして、お墓に欠かせない本質的な部分。それはやはり、そこに故人のお骨があることではないかと私は考えます。お骨があることで、石塔を通じて死者と生者が、心を通わせることがかないます。

6.死者と生者を結ぶお墓の力

以前、ある寺院でこんな言葉を目にしました。

「逝かれてからもっと身近になりました」と。生物学的に言うならば、人は死ねば終わりです。逝ってから身近になることなど、あるわけがないことです。

でも、実際にこれを見た時、私はしっくり来る思いがしました。人と人との関係は、どちらかが死ねば全て終わりになるわけではありません。例え生前に疎遠でも、その心の距離感はいくらでも縮めることができます。そこ(お墓)へ行けば、いつでも先祖が待っていてくれるのです。

お墓には私たち(生者)と先祖(死者)を近づけてくれる、特別な力があります。その力を発動させるマスターキーこそ、お墓参り。

私たちがアプローチすれば、お墓は様々な幸せをあなたにもたらしてくれるはずです。ぜひ、あなたにも「お墓の力」を感じてみてほしいと思います。

※以上2018年当時の原文のまま

🪶おわりに

以上、2回にわたり『ENDMAG』(現在は廃刊)に寄稿した文章をご紹介しました。

本文を記した2018年当時から数年が経ち、お墓を取り巻く環境はさらに厳しくなってきています。

だからこそ今、お墓が持つ本当の力――死者と生者を結ぶ、かけがえのない場としての価値を改めて考えていただけたらと思います。

どうぞ、機会があればお墓参りに足を運んでみてください。きっと、心のどこかが静かに整うはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

では。

前編はこちら → お墓の力と役割について(前編)

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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