学び続ける石屋として
2025年10月5日(日)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
私が持っている「お墓ディレクター1級」は、日本石材産業協会が認定する業界資格です。お墓や供養に関する知識だけでなく、法律や宗教、接客のことまで幅広く問われるもので、2級は比較的取りやすいのですが、1級となると途中で挫折してしまう人も少なくありません。私自身、昨年まで試験の監督者を務めていましたが、受験者の真剣な姿を見るたびに、この資格の重みを感じていました。
今年の試験は11月18日に行われます。現在、申し込み受付中で、締め切りは10月15日まで。もし挑戦を考えている方がいらっしゃれば、ぜひ一歩を踏み出してほしいと思います。

江之浦測候所で見かけた椿の花と苔むした水鉢。静かなひとときこそが感性を磨く
毎年、1級取得者を対象にした研修も行われています。今年2月の研修では神奈川県小田原市の「江之浦測候所」を訪れました。
建築家・杉本博司氏が手がけたこの場所は、石・光・時間が織りなす独特の世界。海へ向かって延びる石の回廊や、朝日が差し込む石造りの舞台を歩きながら、石という素材の力、人がそこに託してきた祈りのかたちを改めて感じました。おそらくまた来年2月にも研修があるでしょう。それも今から楽しみにしています。
こうした学びの機会が、資格を取った後も続いていくことに、この制度の意義を感じます。
私自身、「お墓ディレクター1級」のほかに、石張り作業・石材加工の一級石材施工技能士、職業訓練指導員免許も持っています。
共通していることは、いずれの資格はあくまで”入口”であって、現場で学ぶことのほうがずっと多いということです。お客様の言葉、先輩職人の背中、そして石そのものが教えてくれること。そうした日々の積み重ねが、今の私の礎になっています。
業界の仲間たちには、ぜひ、こうした資格取得に挑戦してほしいと思っています。私にも取得できたのですから、決して手が届かない資格ではありません。ただし、そのための努力さえすれば、です。
なぜそう思うのか。それは、業界全体の技術や知識が向上することで、お墓を考えるお客様にとって、より良い選択肢が増えるからです。学び続ける姿勢を持つ石屋が増えれば、業界全体の信頼が高まる。私が後輩に資格取得を勧めるのは、お客様に安心して任せられる石屋がたくさん増えてほしい、そんな思いがあるからです。
もちろん、資格がすべてではありません。しかし、学んだことは必ず現場で活きてきます。石に向き合う仕事は、資格や肩書きだけでは語りきれません。
こうした機会に自分を見つめ直し、学び続ける姿勢を持てることは、ありがたいことだなと思っています。
では。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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