都内寺院での墓誌の基礎工事、区切りがつきました

2025年9月9日(火)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

都内の寺院境内で進めていた墓誌基礎工事が終了しました。前回は、掘削の際に想定外の配管が現れ、予定していた方法を変更せざるを得なくなったところまでを書きました。今回は、その続きを含めて基礎が出来上がるまでの流れをご紹介してみますね。

基礎を支える単管杭。2メートルの鋼管を6本、要所に打ち込みました

変更後の工事では、通常地中にある基礎を地上に立ち上げる形でつくることになりました。そこでまず行ったのが単管杭の打ち込みです。2メートルの鋼管を6本。限られたスペースの中で要所に打設して、基礎を支える補助とすることにしました。これで沈み込みや傾きに対してある程度の備えとすることができます。

打ち込み完了です

続いて型枠を組み、鉄筋を配置しました。水平や直角をきちんと確認しながらの作業です。鉄筋はコンクリートを流し込んだ際に強度(特に曲げ強度)を高める役割を果たします。今回の現場では裏にコンクリートの壁がありましたので、それも活かすことにしました。

裏のコンクリート壁にケミカルアンカーを施工し、鉄筋と連結しています(壁と基礎を一体にしています)

ケミカルアンカー(接着系アンカー。専用の接着剤で金具をコンクリートに固定する工法)を壁に施工し、鉄筋と連結しました。これは、地中の配管を避けるため十分な転圧ができず、また打ち込んだ鋼管杭の効果も不明な部分があったためです。背後のコンクリート壁と基礎を一体化させることで、なるべく確実に墓誌を保持できるようにしています。

また、この現場では限られたスペースでの施工となったため、縁石4本と敷石4枚の撤去が必要でした。動かす予定のない部材まで動かしてしまってはいけません。慎重な作業が求められ、なかなか骨の折れるものでした。

何とかうまく取り外して弊社まで持ち帰り、背面にしっかりくっついていたモルタルを、先日の台風の時を使ってケレン作業(モルタルを丁寧にはつり取る作業)しておきました。さらに墓誌設置に合わせて寸法調整の切削をして再据付けすることになります。

コンクリート打設中。鉄筋を上下二段に組んであります。(仕上がれば内部は見えません)

今回の基礎は二段階に分けてコンクリートを打設しました。まず昨日、ベースとなる部分を打設し、ある程度乾いた段階で石が入る穴の部分に型枠を設置。一度に打設すると流動性のあるコンクリートでは穴の高さが正確に出せないためです。

一見、回り道のようでも、そうしたほうが良い場合もあるものなのです。そして今日の午前に基礎コンクリートの仕上げの打設を行ってきました。ようやく大きな墓誌を支える基礎が完成しました。

墓誌を支える基礎が完成しました。これで一区切りです。

打設後はしばらく養生を置き、型枠を外せば基礎の形が現れます。その時点でもう内部の鉄筋や杭は見えません。表面から見えるのは仕上がったコンクリートだけです。しかし、完成してからは触れることのできない部分だからこそ、最初に手間をかけておくことが大切だなと感じます。

今回の基礎工事も、特別なことをしたわけではありません。石屋としてごく普通に行う仕事を、その場その場で判断して順次進めただけです。それでも、そうした積み重ねが結果として墓誌を支える力になってくれればいいなと思います。

以上で基礎工事は完了。次はいよいよ墓誌本体を据える段階になりますが、このお仕事のブログ記事はここまで。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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似顔絵(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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