伝えたい 先祖を大事に思う気持ち。 NHK『小さな旅』を視聴して

2025年8月10日(日)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

本日は10時、11時と2件の納骨立会いをご依頼いただき作業をしてきました。その前の時間帯、家を出る前にテレビをつけるとNHKの『小さな旅』という番組がやっていました。

今日のタイトルは「祈り 海へ ~宮城県 気仙沼市~」。ちょうどお盆前という時期からか、「盆船」という手作りの船でお迎えしたご先祖様を海に送るという内容です。

お盆における先祖の霊のお迎えとお送りの仕方は地域ごとに差があり特徴があると聞いています。海の向こうにご先祖様がいる世界があり、そこへ帰るにあたり土地の食べ物を船に載せ、ご先祖様の霊と共に皆でお送りする。海と深くつながった漁師町の文化と人々の先祖を敬う心。その一端を垣間見ることができ、とても温かな気持ちになりました。

番組の一場面  出典:『小さな旅』(NHK、放送日2025年8月10日)

こうしたお盆の風習は各地域でその地なりのものがあり、とても興味深いものがあると感じます。

ちなみに登戸では船はなく、ナスやキュウリにオガラの脚を4本刺し、それにそうめんを数本かけて牛馬に見たてます。ご先祖が我が家へ帰ってくる時には早く帰れるよう馬に乗り、彼岸に戻るときには名残惜しく牛に乗ってゆっくりと戻っていただく。そんなことを父親から聞いています。

お墓にはお参りはしますが、お迎えをするのは家の前。夕方にお盆の上に牛馬とお線香・香炉・ろうそくを載せて門の前で迎え火を焚いてご先祖の霊を迎えます。私が子供のころは家々の前でお迎え火が焚かれ、夕闇の中でその火が美しく揺らいでいたのが思い出されます。

お送りするのも同じ要領ですが、時間としてはお迎えよりもゆっくり。これも父から聞いたことですが、少しでも自分の家でご先祖にゆっくりしてもらうのだそうです。

こんなふうにお迎えやお送りの仕方には地域差があるものの、先祖を敬い大切に思う心、そして手を合わせて祈るのはどこでも同じなんだなと思います。

たまたま小さな旅の中に出ていた方が口にしていた言葉がとても印象に残りました。

『ご先祖様がいるから今の我々がある。』

そうなんですよね。たとえ時代やライフスタイルが変わっても、ここだけは変えちゃいけないという事がある。

昨今、供養に関する周辺業界をかえりみるときに、ややもするとご先祖様に対して少しその表現はおかしいんじゃないの?と思うようなキャッチコピーの広告を見かけたりします。

ご先祖様は厄介者じゃありません。

いま生きている人を世に送り出すための命を繋いできてくれた人たちです。命が繋がればいずれ私たちだって先祖になるんです。大切に考え大事にしていきたいですよね。

石材業界においても墓じまいなどが増えてはいますが、この「しまい」は終わりじゃありません。それはそれぞれの現状に合わなくなったものを合うように形を変えるということです。言ってみれば『終う』のではなく『仕舞う』だけのこと、ご先祖様とのお付き合いの仕方が終わったり、変質してしまうのではありませんね。

さて、今日はお盆も近く朝から良い番組を見る機会に恵まれたので、何となくこんなことを書いてみました。

お盆はご先祖との距離がぐっと近くなる時期。ご先祖様に思いを致して過ごしてみたいですね。

では。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
お墓以外にも石鳥居や記念碑のお仕事も承っております

似顔絵(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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