川崎市麻生区の個人墓地 岡崎産のお地蔵様、無事に建立が終了です
2025年7月31日(木)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
先だってから取り掛かっていたお地蔵様の建立工事。無事に完了することができました。
個人宅のお墓ということもあり進入路がすべて傾斜、そして高さがそれなりにある階段。手すりも付いているために運搬車の使用は不可能です。大谷石製の階段に毛布を敷いてしっかりと養生、下から石を転がしながら搬入を行いました。
お地蔵様を刻んだ石も高さは約60㎝で重量は単純に90㎏近くはあると思います。(一番下の台座は約100㎏ほどか)
その場で2人で持ち上げるぶんには問題のない重さですが、段を上っていくのはやはり心配になります。最初は持ち上げての運び込みも考えましたが、事故が起こってはいけませんので安全策を選択。急がば回れというやつですね。

お墓から進入路をみおろす。一番下に見えるのは階段の踊り場。まだ右に折れて続きの階段がある
こちらのお墓は墓域の敷地サイズは大き目、そして真ん中に小松石の1尺角和型石塔が建っている立派な墓地です。そのためお地蔵様も通常の大きさでは、もしかしたら小さく見えて貧相に感じてしまうかもしれません。
大きさで何かの優劣が決まるわけではないにしろ、そこはご先祖様をお祀りするための地蔵建立。どうしても今あるものとの比較で見てしまう事は避けられないので、よくご提案するものより大きめのサイズを選択。
文字もしっかりとした大きさで刻みたかったので、お地蔵様の形も丸彫りや舟形ではなく墓相型とも呼ばれるタイプでの作製になりました。花筒とろうそく立ては一対ずつ。ろうそく立てには風防も付属します。
奥の石塔と同じ程度の高さを想定していたので、出来上がってみて大きさもぴったりです。お施主様に確認いただくと「立派なお地蔵様が建てられました」と、とても喜んでくださいました。
8月盆の棚経の際、お寺のご住職に入魂のお経をあげていただくそうです。このお地蔵様はこれから先、朽ちて破損してしまった古い石像や石塔たちのぶんまでこちらのお宅をお守りくださるものと信じます。
それにしても優しく慈愛に満ちたお顔ですね。やっぱり日本の職人さんの彫刻はどこか心が落ち着く思いがします。
作ってくれたのは愛知県岡崎市の磯貝彫刻さん。以前にこちらのお宅のお稲荷様を工事した際も、磯貝さんの手による狐を納めさせていただきました。これも何かの縁ですね。
弊社では父の代のころから彫刻物はこちらでお願いをしています。

以前納品したお稲荷様の狐。外国製と比べ顔や体躯のバランスがよく表情も良い。
外国で加工したものと比べ、金額面ではそれなりに高額になります。それでも長い間それぞれに家や家族を守って、そこに在り続ける石造物。そしてそれを石の塊から生み出すのに、作り手は想像以上の手間とエネルギーをかけ粉塵まみれになって作業を行います。ノミの金属のかけらや石のかけらが飛び、一般の方が想像できないような環境下でそれを形にしていきます。
そう考えると決して高いということではなく、むしろ価値に見合った妥当な金額なのであろうと私は考えます。
今回ご当家のご先祖様の供養にあたり、そうした価値ある石造物をお選びいただきまして本当にありがとうございました。感謝申し上げます。

こうした心休まるお地蔵様なども作製してくれています。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
お墓以外にも石鳥居や記念碑のお仕事も承っております
(有)吉澤石材店 吉澤光宏
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