川崎市営 緑ヶ丘霊園 一般墓所 1㎡の洋型石塔・外柵工事が完成です。

2025年1月21日(火)


こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。

ブログ更新が滞りがちですが、本日は川崎市営霊園 緑ヶ丘霊園で今月工事をした1㎡墓所のご紹介です。

2025年1月完成(石塔・墓誌:インド産ダークグレー系御影石/外柵:中国産白系御影石)

川崎市営霊園では工事開始申請の締め切りが毎週火曜日。そして次週の火曜日に工事許可がおります。

ちょうど年末年始の期間をコンクリートの養生期間に充てるべく、昨年12月の半ば過ぎに基礎工事開始をしました。

草止めシートをはいでさっそく掘削開始。やり方(木杭と板)を設けて既定の深さまで土を掘削します。これを根切り工事といいます。

このあたりの工事では基礎コンクリートの厚みはおおよそ15㎝が標準です。なので、その分の深さ+砕石を敷く深さ分の土を取り除きますが、1㎡とはいえ結構な量の残土が出ますよ。

掘削が終われば40ー0砕石を敷き込んで転圧。この転圧もいっぺんに行うのではなく数センチ分ずつおこなってしっかりと締固めをします。

砕石層が既定の高さまで達したら終了。

通常ならここから鉄筋を組みコンクリート打設の工程ですが、弊社においては1㎡墓所ではJIS規格品の単管5mを半分に切断、2.5mの小口径鋼管杭として8ヵ所に打設していきます。

今回工事を行った1㎡墓所の区画はもともとが墓地であったところではなく、更地で草やスポット的に木が生えていた場所。つまり今までは原っぱみたいなところです。

いくら造成工事を行っても機械で締固められるのはごく表層に近い部分だけなんです。そうした場所にある小さめの区画の1㎡に基礎コンクリートの重量+石材の重量がかかるわけですね。万が一不同沈下を起こしては大変です。

そこで通常の基礎工事にプラスして杭打ちの材料代や手間賃はよけいにかかるわけですが、念を入れる意味でお施主様にはこの作業をお勧めしています。

だいたい石が載るあたりに鋼管杭が打設されているのがわかると思います。

そしてここから鉄筋を井桁に組んでのコンクリ打設。実は配筋の様子を写真を撮り忘れてしまいましたが、こちらは同じ1㎡墓所での事例。だいたいこんな感じです。

そして生コンを買ってきてコンクリート打設。基礎工事まで完了です。

ここまでが昨年中のお仕事。養生期間を置いて今月の8日から据付作業のスタートです。

こちらの墓所はちょうど一番端の区画。なのでお墓の前通りを、既に据え付けられているお墓と違和感ないようにしっかりとあわせないといけません。同時に将来、間にできるであろうお墓の工事にも影響が出ないよう、お墓の左右の位置も確認しながらの作業ですね。

画像にはありませんが、石の下端はノミで荒らしてありよく練った増強剤入りモルタルで据付けます。

ここまでで一日目の作業が終了。コンパクトなお墓なので実はまだまだ作業できる時間はあります。それでもここまで。

別にもったいぶっているわけじゃないんです。

理由は据えた石が動いてしまうから。つまり、よく練ったモルタルで据付けているので、この上に重い石を乗せて叩けばせっかく据え付けた石が動いてしまうということなんです。

動いて縁切れになってはいけません。基本的に石は据えたら動かさないことが大切ですね。

そしてまた翌日の作業。

納骨室内の敷石据付けと天板の据付けです。地上型納骨室(丘カロートとも)の屋根になる部分を組んでいきます。

重さを受ける接着剤と弾性を維持する接着剤など、性質の異なる複数の種類の接着剤を併用していきます。同時に補強金具と換気口の金具も取り付けてありますよ。

ここで天板の据付け作業までが無事終了。

工程によってはこの後、据えた天板に極力負担をかけないよう注意しながら石塔を据え付けることもあります。

ですが今回も作業はここまでにしました。万全の状態で石塔工事を行いたいからです。

半日分の時間がもったいない気もしますが、そこは自社施工。うまく他のお仕事の予定とあわせ、半日ずつの仕事にできるよう予定を組みました。

そして翌日、据付けに問題がない程度にしっかりとした丘カロート上に洋型石塔の据付です。

ここも2種類の接着剤を使用しての工事です。これだけダンゴ状に配せばぐちゃっと広がってかなりの接着面積がとれます。

接着剤は接着面積が小さければ十分な効果を発揮できません。これはいくら強力で性能が優れたものでも同じです。良い接着剤を多めに使う。これが接着作業で一番大事な部分だと私は考えます。

完成の様子です。まず側面から。

背面から。換気口の金具が見えていますが、のちに裏側のお墓が建つと隠れますね。

一応雨などはいらないよう、外側の金具はルーバーという羽根付きです。

根石(下回りの石)の石材の厚みは約13.5㎝と、この大きさのお墓では厚めの石を使用しています。これも安定度とともに、接着剤の接着面積を意識しての仕様です。

そして最初の写真と同じですが正面から。

正面写真は逆光で見えにくくなってしまうため、後日撮影のものですが。

大きな石塔ではありませんが、お墓の敷地に合った必要にして十分な大きさだと私は思っています。

1㎡墓所でも時折おっ!っと感じるようなボリュームのあるお墓を見かけますが、バランス的には今回くらいの丘カロートと石塔がいちばんよいのではないでしょうか。

こちらのお墓は後日ご納骨をさせていただきます。

このたびはお仕事を任せていただきまして本当にありがとうございました。


さて、今回も緑ヶ丘霊園の1㎡墓所の作業の様子をまとめてみました。

弊社ではなるべく丈夫なお墓になるようお墓の設計や石の組み方を吟味、一見、似たように思える接着剤の種類や金具類も良いものを選んで使用しています。

また作業もいたずらに効率を追うのではなく、必要に応じて何回かに分けた作業を行うお墓づくりをしています。

したがって大変生意気なことを言うようで恐縮ですが、良いものをより安くとはいきません。

正直、それなりに金額もかかりがちになってしまいますし、価格を優先に考える方からは「他所の石屋さんよりも高いじゃないか」と選んでいただけないこともあります。でも、それも仕方のないことだと思います。

ですが、吉澤石材店としてのお墓づくりのスタンスの幾ばくかを失ってしまう事につながりますので、弊社は他の石屋さんとの価格競争は絶対に致しません。

そんな思いを理解してくださる暖かいお施主さんとのご縁を、これからも紡いでまいりたいと思っています。

いつもありがとうございます。

※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
お墓以外にも石鳥居や記念碑のお仕事も承っております

似顔絵(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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