お墓の重さを支える基礎、しっかり施工。麻生区の寺院墓地
2020年5月10日(日)
こんにちは。川崎市多摩区の石屋、吉澤石材店の吉澤です。
GW明けは川崎市麻生区の寺院墓地の基礎工事からスタートです。
お墓の石は皆さんが目で見て感じるよりも、きっともっともっと重いと思います。石の種類によって差異はあるものの、だいたい一辺が30㎝の立方体で約70~80キロ近い重さがあると言われています。
今回のお墓はそうした石のサイコロ20数個分の重量の石を使います。当然のことですが、土の上にそれらを並べるだけでは不同沈下、つまりお墓が傾いてしまう事象が発生してしまいます。
それを防止するためにはきちんとした基礎工事を行う必要が出てくるわけですね。
お墓の現状はご覧のような感じ。写真からはわかりづらいですが、手前から奥に向かって、約2mで20㎝以上は地盤が盛り上がっています。同様に左から右に向かっても約3mで15㎝程度の下り傾斜が。
こうした傾斜地にお墓を建てる場合、どこを基準にするかというのが一つ大きな施工上のポイントになります。
高さの高いところを基準にすると、低い地点では石の下端や基礎コンクリートが露出することになります。この状況なら一番高さが低めの場所を基準にすべきですが、傾斜の加減やお墓の石の高さによっては地盤の高い地点で石が埋まってしまう危険も出てきますね。
そのあたりをクリアするため、事前の現地調査をもとに墓所設計を行っての基礎工事開始になります。
まずは『やり方』を言う木組みを作り、レベルで高さを確認しながらお墓を建てるべき位置を決めていきます。そこから『根切り』とよぶ掘削作業を。芝生や草も生えているので見た目よりも手間がかかります。
今回のお墓はいつものようなベタ基礎ではなく布基礎タイプを採用。そのかわり基礎幅を30㎝近く取って強固になるよう作業していきます。
土が盛り上がっている場所なので、土のすき取りも思ったよりはるかに労力がかかります。
これは根石部分の土のすき取りを終え、割栗石を敷きならべたところです。このあとの工程でランマーという転圧機械を使い、地面を締め固めていきます。
この時点では真ん中に配置する納骨室の掘削は行っていません。これは設計上の理由があるからです。
下の写真が周囲の掘削・転圧を行ったあと、納骨室の根切り作業を終えたところの様子です。納骨室のほうが周囲の外柵部分よりも深くなっているのがわかるでしょうか?
つまり先に納骨室がくるところを先に掘ってしまえば、周囲を転圧したときに崩してしまうからなのですね。
まあ、それはともかくとして、納骨室のところにも割栗石を敷きならべて充分に転圧。水抜き穴として改良マスを設置して型枠を入れます。今回は地盤がしっかりとしていることもあり、納骨室については土型でいきます。
そして鉄筋の配筋。D13の異形鉄筋を20数cmのピッチで並べて結束線でつなぎます。石塔の乗る部分や外柵の四隅は斜めに配筋も入れてかかる荷重に備えます。
ここまで作業をして、コンクリート打設の準備が完了。
ここからコンクリート0.9立米を流し込みます。
コンクリート打設を終えてこんな様子に。
今回、掘削時の高さ決めからコンクリート仕上がり高さを1寸(約3㎝)ほど上げたため、基礎コンクリート厚が7寸(約21cm)ほどとなりました。少しでも石が埋まりすぎないよう、そして基礎コンクリートも露出しないように最終調整をしたためです。
出来上がったときのこともしっかりと考えていかなくてはなりませんからね。
真後ろの一番土が盛り上がっている部分のみは、微妙に表土を削り取ることになるかもしれません。
このあとは養生期間として日数をおき、コンクリートが十分に硬化してから据付に入っていきます。石塔もどんな感じのものが据え付けられるのか楽しみにしていてくださいね(笑)
何はともあれ、仕事を任せてくださったお施主様のためしっかりと責任を果たしていきたいと思います。では次回に続きます。
読んでくださってありがとうございます。
※最後までご覧をいただきまして、ありがとうございます。
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