お墓(大谷石製外柵)のリフォームと石塔再生計画。世田谷区の寺院墓地
2018年5月30日(水)
川崎登戸の町石屋、吉澤石材店の吉澤光宏です。
火曜日から世田谷区烏山にあるお寺さんにお邪魔しています。
ずいぶん前に弊社で建立させていただいた、こちらのお墓。大谷石製の外柵に小松石(神奈川県産)の石塔が建っています。
40年以上は経過しているでしょうか。さすがに大谷石がいっぱいいっぱいの状態。そこでこのたびご用命いただき、外柵の作り替えの工事に着工することになりました。
昨日は石塔と外柵の解体撤去と基礎工事の一部作業。引き続き今日は午前中、地盤の転圧や改良マスの設置、配筋作業などを行ってきました。
雨予報なこともあり、コンクリート打設は明日以降に行う予定です。
さて、午後の時間はその解体した石塔の再生作業を行ってみました。
石塔正面に刻んだ文字は『家紋+○○家之墓』。今回お墓を承継される方の姓が変わるため、ここに手を加えることになっています。
文字を刻んだ深さをチェックして、必要最小限の寸法を切削機でカットしていきます。
このカットする寸法も良く考えないとなりません。あまりギリギリにカットすると、前に刻んであった文字の形跡が何となくわかってしまう場合もあるんです。
特に小松石のような石の場合、サライという技法で仕上げてあるとサラったノミ痕の衝撃が、石に入って(残って)しまっていることも考えられるので。
石塔のスライス、一丁あがりです(笑)
切削工程に続いて、お次は再研磨作業。
弊社工場の小さな切削機でカットしているため、刃の寸法が足りず一発で切削しきれません。両面から切削刃を入れるために微妙な段差が残ります。
切削面の反り・ねじれを確認しながら、粗めの研磨盤で少しずつ平らにしていきます。
高い部分には目印をつけたりしながら仕上げていきます。今日はここまで。
切出し水鉢に取り付けたネジ型花筒も、これを機に落し込み型花筒へと交換。
使い勝手も数段増しますね。
今日ですべての作業が終わるわけではありませんが、雨の時間をうまく使ってこれらの作業を仕上げていきます。
こちらのお墓のように、墓地を承継する人の姓が変わるというケースはこれからもっと増えてくると思います。
その際、考え方としては新たに石塔を建て替える選択は当然ありです。しかしながら、今ある石に手を加え再生させて使うということも十分可能です。
墓地を長く維持する、そしてお墓(石塔)を長く使っていく一つの方法かと思います。
墓石を再加工する際の注意点を、思いつくまま記しておきます。
- 石の状態などにより、再生が可能か不可能かがわかれる場合があります。
- どの程度手を加えるかにより、加工代等の金額は変わってきます。
- 手を加える(切削・整形)ことにより、今まで見えていなかった石目・キズが表に出てくる場合があります。
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