傾いた石塔を直す。これもよくある相談の一つです。川崎市多摩区の寺院墓地でのリフォーム

2017年12月29日(金)


川崎登戸の町石屋、吉澤石材店の吉澤光宏です。

こちらのお墓、正面から見て右に傾いてしまっています。セメント施工ではっきりわかるくらいに傾くと、見栄えが良くない上に、地震の時が起きたりするとちょっと心配です。墓誌も前のめりになっていましたし。

25日のアメブロの方でも書きましたが、芝台から取り外して据え直す方法で修繕しました。

あわせて石塔両脇のツゲの木も伐採。抜根も考えましたが根の張り方がすごく、外柵を傷める可能性も考慮してあきらめました。

ツゲは墓所の植木としてよく見かけますが、幹もかなり太くなるし根もしっかりと張る堅い木です。その分、成長されると実は厄介な木でもあるんです。

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石塔の外しついでに、納骨室の入口をモルタルでかさ上げもしてみました。

今までのスタイルは、入り口奥の敷石と、拝石(納骨室のふた石)が同じ高さ。弊社ではこのスタイルのお墓は施工しませんが、ときどき見かける形式でもあります。

この形式、敷石との段差がないので歩くにはいいのですが、納骨時に蓋を開閉するには厄介です。おまけに納骨室入口が土のレベルから下がっているので、室内に水と土が侵入しやすい弱点があります。

今回は良い機内なので、そのあたりを改める提案をさせていただきました。

そしてこんな感じにリフォーム終了。まず納骨室入口部分です。

IMG_3967[1]

拝石は洗いをかけたので、黒ずみが落ちてずいぶんと白っぽく見えていますね。石塔本体も、落せる水アカは落として弾性接着剤にして据付けしてあります。

入口をかさ上げしたので、次回のご納骨時などにも石を欠いたりせず、安心して作業ができます。

肝心の傾き直しの方は…こんな感じになりました。

IMG_3965[1]

実際には外柵も微妙に右に傾いています。でも、石塔が水平になり、墓誌の傾きも直したので、見た目の違和感はずいぶんと解消されたように感じます。

外柵本体に関しては、部材はしっかりとしています。普通にお墓参りするぶんには、何の心配もなくなったと思います。ツゲがなくなったのでお墓の掃除もずっとしやすくなりましたね。

今後、すぐに手を入れるべき箇所もないですが、強いて言えばツゲの胴吹きに注意するくらいでしょうか。

お墓の傾きを直す作業でも、そのお墓の状態によって選択する工法が変わってきます。

すべてを外して一から直すのか、あるいは対処療法的に絞って直すのか。当然かかる金額も変わるわけですが、状況をよく見極めることが肝要なのだろうと私は考えます。


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(有)吉澤石材店 吉澤光宏

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