白河石外柵のリフォーム。解体から基礎工事まで。川崎市麻生区の寺院墓地
2017年6月19日(月)
こんにちは。川崎登戸の町石屋、吉澤石材店の吉澤光宏です。
ブログに記していませんでしたが、川崎市麻生区のお寺さんの墓地で、白河石製の外柵を御影石にてやり直す、リフォーム工事に取り掛かっています。
この白河石は福島県産の安山岩。
セメントとの相性も良いので、解体作業は大谷石製のお墓と比べてとても手間がかかります。隣の墓所との隙間も少ないので余計ですね。
周りを囲まれているので、石塔を外し、その後に納骨室を解体。内側から攻めていきます。
裏側に機械を置いての作業です。こうした建設機械が使えるかどうかによって、工事の進み具合が全く違ってきます。当然、工事の金額にも影響を与える部分ですね。
ここで、白河石製の外柵解体工事が、大谷石製のそれとの大きな違いがわかります。それは基礎コンクリートがあるかないか、というところです。
ほとんどの大谷石外柵の場合、基礎コンクリートはありません。これは手抜きをしたということではなく、地盤を手ダコで突き固め、そこにモルタルを敷いて据え付ける工法が一般的だったからです。
逆に、白河石外柵の場合、ほぼ間違いなく基礎コンクリートが施工されています。
大雑把に言えば、お墓に使われる石は大谷石→白河石→御影石と変遷してきているので、壊しの仕事をすると、お墓の工事の進化具合もよくわかりますね。
とにかく、鉄筋が入っていれば容易に崩れないので、ある程度強引に壊していきます。もちろん、両隣の外柵を傷めないよう注意しながら。
すべて取外し、規定の高さまで土を削り…。
割栗を敷き込んで、ランマーという機械で転圧作業。地盤を締固めます。周囲の外柵にぶつけないようにしなくてはいけません。これもとても気を使う作業です。
このお墓の地盤は、地山(じやま)と言ってしっかりとした状態です。叩いてもあまり割栗が入っていきません。かといって、水捌けも悪くなさそうなので、墓所には申し分がない地盤ですね。
さて、今回は納骨室が深いタイプのお墓になります。
つまり納骨室直下のコンクリート高さと、外柵部分(周り)のコンクリート高さが異なります。納骨室の基礎コンクリートが、外柵の基礎より15cm低い位置に仕上がります。
こうした場合、地盤の転圧作業を2度に分けて行うことが基本です。
すなわち、外周の高い部分を突き固めた後に、納骨室直下を規程の高さまで掘削。もう一度割栗を敷き込んで、ランマーで突き固めていきます。
色々とやることが多いです(笑)
そして型枠を入れ、鉄筋を組んでこんな感じに。鉄筋は13ミリの異形鉄筋です。
この状態で、やっとコンクリートを流してこんな感じに。
本当は一遍に周りもコンクリート打ちしたいのですが、周囲の型枠が干渉するためにそれは後回し。この日は外柵側の鉄筋や型枠を用意して作業を終了しました。
そして本日。
周囲に型を入れ、鉄筋を配して準備完了。週末時間を置いたこともあり、納骨室の基礎コンクリートも、人間が乗るくらいならまったく問題がありません。
午前中のうちに、コンクリート打設ができました。これで基礎工事まですべて終了です。
全体が1枚のベタ基礎ではありませんが、石が乗る部分に対して、充分な広さを確保した、強固な基礎コンクリートが出来上がりました。
この後、しばらく養生期間を置いて、コンクリートが硬化後に石の据え付けに入っていきます。
雨の状況を見ながら、しっかりと工事していきます。
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