摩訶不思議!ああ家紋とはなんと奥が深いものなのか。
川崎市多摩区の吉澤石材店、吉澤です。
ご納骨2件の予定が入っていたこの日曜。折悪しく、朝方には本降りの雨に。
雨中のご納骨を覚悟しましたが、1件目のお経が始まるころには雨脚が弱まってくれ、お骨を納める時間にはすっかりあがってくれました。

落ち着いてお墓参りができるので、やっぱり雨ではなくて良かったです。
さて、2件目に訪れた墓地は寺院墓地ではなく、共同墓地。ほとんどが同じ姓の家のお墓です。つまり石塔の正面の文字を見ると、ほぼすべてが『〇〇家之墓』になっています。
そこでこんな写真を撮ってきました。

ズバリ、家紋ですね。
『上がり藤』の紋に四角が斜めになって入っています。この四角は何かといえば、この部分だけで『釘抜き』と呼ばれる家紋です。
この家紋は一般的な紋帳を見ても記載されていないと思います。完全に調べていないのでわかりませんが、少なくとも弊社にある紋帳三冊には載っていません。
ただ紋帳に記載がない家紋も時々あって、特に珍しいわけではありません。この家紋は『上がり藤に釘抜き』とでも呼ぶ家紋になるのでしょう。
でもこの左右の家紋、実はハッキリとした相違点があります。わかりますか?

そう、答えは『釘抜き』部分の上部。左は釘抜き上部に白い線が入っているのがわかるでしょうか。つまり切れているというわけです。もちろん、これは間違えて刻んだわけではありません。
同じ墓地内にある同姓の家でも、家紋が違っているということは時々あります。
でも、ここまで近い(と言うかパッと見、ほぼ同じ)家紋で相違があるというのは珍しいのではないかと思います。
なぜ違いができるようになったのかは、私にはわかりません。きっとそれなりの理由があったのだと推察します。
それはともかくとして、この線一本で家紋が異なってしまうのは間違いありません。
最近では家紋に馴染みのない方も多いので、石屋がうっかり間違えて刻めば、そこの家が伝えてきたものが今後誤って伝わっていくことになります。
石材店としてそれだけは避けるべきことなので、そうした誤りが起きないよう努めていきたいと思います。
しかし家紋は摩訶不思議。知れば知るほど奥が深く、興味は尽きないものですね。
また、よろしくお願いします。
※この記事は2016年に書いたものです。
家紋への向き合い方は今も変わりませんので、参考になればと思い再公開しました。
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