故郷に倣う。お墓を建てるとき、石屋が大事にしたいと思うこと
川崎のまちでお墓づくりに励む、登戸の吉澤石材店です!
さて、今日は2月に少しふれた鹿児島の屋根付きのお墓。そのお宅のお墓工事についての続きです。
鹿児島のご実家のお墓をイメージした文字彫刻が終わり、弊社に戻ってきました。形は俗に東京型と呼ばれる和型の石塔です。水鉢には通常通りに額を付けた家紋を彫刻。
ここで普通とはちょっと異なるところが。
それは上台(じょうだい・このあたりでは上段とも呼びます)にも家紋が入っている店。この家紋が正面向きではなく左右側面に刻まれているんです。
登戸あたりのお墓では、上台に家紋が入るのは小さい墓地サイズの時くらいでしょうか。それでも正面向きに刻むことが多いです。左右側面に一対というのはまず見かけません。
そのあたりを説明したうえで今回の家紋彫刻の形になりました。ご実家のお墓のイメージを引き継ぎたいというお施主様の希望です。
お墓の形もそうですが、こうした彫刻についても地域によって思った以上に差があります。
建墓では『お墓を建てる地域のあり方に倣う』ことが多いのが実情ではあります。これがあくまで基本。でもお墓を大切に引き継いでいくこと、これを第一に考えると慣れ親しんだ『故郷に倣う』というのもまた一つのあり方かなと思います。
お墓を建立してお参りをしていく。それがすなわち良いお墓なわけです。つまり、その家族にとってお墓が大切な存在であってくれることが一番重要なことなこと。そのためにもこうした部分で建てる人の気持ちを大事にしてあげられればと思います。
この石塔も必ず良いお墓になってくれると信じます。
また、よろしくお願いします。