川崎市麻生区の中学校に実技指導に行ってきました
わが川崎には、市内中学生を対象とした「技能職者に学ぶ」という職種別講座があります。
これは川崎市技能職団体連絡協議会(石材組合も所属)が川崎市と連携して開催、後継者育成事業としての位置づけもあるイベントです。参加する職種は多岐にわたり、美容や食品の関係なども。
今日は石工職の講師役として、麻生区の白鳥中学校に行ってきました。
若い人たちにとってあまり馴染みがないであろう石工という職業。少しでも知ってもらえるチャンスでもあります。
内容は石屋の仕事についての講義と実技指導。実技はライムストーン(大理石)を使った表札づくりです。
刻みたい文字を石に描き、基本薬研彫りに仕上げていきます。
柔らかめの石ですが慣れない作業に慣れない道具。毎年初めはおっかなびっくり、作業は捗りません。まして防塵マスクと保護メガネ着用でやりにくいですね。
だから制限時間内に終わることはまずありません。またきれいに仕上がらないことのほうが多いです。石が欠けてしまう子や彫りがはみ出してしまう子たちも。
でもタイムスケジュールの中、不慣れな作業を生徒さんたちは集中して取り組んでくれました。
作業後に感想を聞くと、楽しんで取り組んでくれた子が多かったようです。また石が硬かったという子と、柔らかかったという子、両方という子も。
ノミ先で彫刻刀のように削ることも可能な大理石なので、柔らかいという意味もわかります。また、深く彫ろうとするとやっぱりそれなりに硬く、思ったより刃先が入っていかない。正直な感想ですよね。
石に文字を刻む。普通ならまず、人生において経験することのない作業のはず。うまくできることが重要でなく、作業の大変さや素材としての石を味わうことが大切なんですね。
「一番身近にある文字を刻んだ石はお墓。今度お墓に行ったら彫ってある文字をよく見てみたい。今日の体験で少しお墓に親近感を持てそうな気がします。」
こんなことをお礼の言葉として伝えてくれました。石工として、最高のプレゼントですね!
また来年が楽しみになってしまうんだな(笑)
また、よろしくお願いします。
(※一部画像を加工してあります)