川崎市多摩区の吉澤石材店です。

さて、この図面は和型石塔の図面です。俗に関東で高級型と呼ばれているものです。

20161214201505742_0001ちょっと見にくいですが『※この線』と書かれた部材は芝台と言います。そして『線』が何かと言えば、石の継ぎ目です。

外から見るとあまり気が付かないかもしれませんが、棹・上台・芝台を据え付ける前の状態はこんな感じで真ん中は空間です。

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最近では芝台に無垢材(一枚物)を使用することも多いですが、以前はたいてい芝台は四つ合わせが多かったのです。

ここで念のため申し上げておきます。

これは決してインチキとか誤魔化しとかの妙な話ではありません。

四つ合わせが使われてきた正当な理由はいくつかあります。

まずは加工のしやすさ。特に機械化が進む前までは、80㎝真四角とか90㎝真四角もある大きな石を無垢材で仕上げるなんて思いもよらないことだったはずです。

そして材料としも、キズや規格外の色むら・玉など、難のない部分で揃えることが困難だという側面も当然あります。また、貴重な石をできるだけ無駄なく使うという意味でも合理的なのです。

今でも比較的安定している石以外では、四つ合わせだったり二枚接ぎ・三枚接ぎなんていうことも普通にあるんです。

それは芝台を無垢材で採ることが困難な石では至極当然のことで、無理して何とか石を確保しても、最終の研磨工程でキズが発見されればたちまちパンコロ(石屋の符丁でダメになるの意)になってしまいます。

そうした石の場合、無垢の芝台を選べば納期的に長く必要(つまり採れるまで、ということ)になります。当然費用的にも割増しがついたりして、とても高価なものになっていきます。

 

と、ここまでは話の前置き。今日の本題はこのあとです。

先日に下見した現場のお石塔ですが、古い石塔棹石との隙間から雑木が生えていた形跡がありました。

よく本ブログでも書いていますが、お墓に生える木はいささか厄介者です。とても力持ちで、長い間にあの重い石を持ちあげたり動かしたりしてしまうんですから。

わかりますか?芝台の前石が雑木によって左に押し出されています。その証拠に、反対側の様子も。

芝台はモルタルでしっかり据付けられているのに、ものともせずそのままスライドさせてしまったんですね。

これではもう、前石は何も固定されていません。上に載っている三段の石はちょっと危ない状態だと言わざるを得ませんね。

これに手を付けるとしたら、石塔を一度取外して雑木を取り払い、再度四つ合わせの芝台を据え直すことから始めなくてはなりません。絶対にこの状態で木を取り払うことはできませんから。

その際には4枚の部材をL型金具で補強し、墓石用の弾性接着剤(通称コーキング)を使って再据付することが望ましいでしょう。

当然、芝台を据えた後には最低一日は養生も必要だと思います。

少し大掛かりな話になってしまいますが、安全なお墓環境を確保するにはこの方法が望ましいのではないかと私は考えます。

お墓に生えた木。要注意なのがお分かりいただけるのではないでしょうか。

もし見つけたら、後回しにせずに適切な対処が必要ですね。

どうも前置きの方が長すぎたかもしれません。ご容赦ください(笑)

また、よろしくお願いします。


※芝台に関して
弊社では新規墓石を作製の場合、現在のところ基本的に芝台は無垢材(一枚物)で設計しています。ただし無垢材が難しい場合に関しては、二枚接ぎの芝台で設計します。
在庫品以外、原則としては四つ合わせの芝台では設計しておりません。

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
電話 044-911-2552 (携帯転送なので外出先でもつながります。お気軽にどうぞ。)

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