こんにちは。川崎登戸の町石屋、吉澤石材店です。

お墓でこんな形をした灯篭を見かけたことはありませんか?

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これは庭に置く灯篭と違い、墓前に供する灯篭で通称『墓前灯篭』と言います。

墓前灯篭にも種類はいくつかありますが、一番見かけるのは上の写真のような丸墓前と呼ばれる形かもしれません。ちなみにこの灯篭は、①から⑥までの別々の部材を積み重ねて一つの形になっています。

 

こんなことを踏まえての話ですが、昨日、墓前灯篭が倒れてしまったというご相談をいただきました。

お墓参りをし、草むしりをしていたところ身体がぶつかってしまったそうです。今日さっそくその現場確認に行ってきました。

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他社施工ですが立派なお墓です。

一対になっていた灯篭のうち、左側のものが倒れて火袋(③の部材)が完全に砕けていました。

石の塊が倒れたわけなので、実はもっと被害が及んでいるのではないかと心配していました。

ただ敷石上に倒れたようで、不思議なほど被害は周囲に及んでいませんでした。もちろんお施主様ご自身にも怪我はまったくなしということで、その点は一安心です。

年末年始を控え、これからお墓参りをするケースが増えると想定して敢えて強調して書きますが、実は墓前灯篭に関しては、身体がぶつかったりすると倒れてしまうこともあるので要注意です。

建立年がここ10年より前くらいのものは特にだと思います。

古めの灯篭では部材同士を固定する材料として、セメントを用いていることが多いのですが…。

セメントは強い衝撃を受けると『縁切れ』を起こしやすい部分があり、また衝撃をうけなくとも経年劣化で縁切れになってしまうこともありえます。

更には灯篭の部材が接している部分は断面積としては決して大きくありません。この部分にしっかりセメントがついていても、体の接触などによる衝撃で剥がれてしまうことがあるんです。

特に火袋の上下(②と③、③と④)の継ぎ目は構造上、面積がごく僅かなのでそうした傾向が強いです。

また、上の部分がしっかりついていたとすれば、今度は④と⑤あるいは⑤と⑥の継ぎ目に負担がかかりますね。(今回は⑤と⑥の部分から外れての転倒だったようです。)

この灯篭が既に縁切れになっていたのか、ぶつかった衝撃で縁切れになったのかはわかりません。ただ建立された当時はセメント工法が標準的な工法であったのは間違いありません。

客観的に見て、特に施工不良というようにも思えませんでした。

お宅のお墓に灯篭が建っていればの話になりますが、お参りやお掃除でお墓を訪れたおり、一度注意深く灯篭を確認してみてはいかがでしょうか

ガタ付きがあったり、どうも中心から石がずれていると思われる場合には、間違いなく縁切れを起こしています。つまり既に固定されておらず、ただ乗っているだけの状態だと考えられます。

そんな時にはすぐ石材店にご相談ください。

もちろん怪しいと思う時や微妙だなという時にもご一報ください。被害が起きる前に対処して、安全で気持ちの良いお墓参りをしていただきたいと思います。

また、よろしくお願いします。


  • 上記のようなセメントの弱点を鑑み、最近灯籠を建てる場合には接合部に関してはセメントではなくコーキングという弾性接着剤を使用しています。多少衝撃が加わってもセメント工法よりも耐性は高くなると思います。(ただし過度な負担が加わるとやはり厳しいですが)

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(有)吉澤石材店 吉澤光宏
電話 044-911-2552 (携帯転送なので外出先でもつながります。お気軽にどうぞ。)

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