石に彫刻した文字に入れる色についての話です。川崎市北部という地域性を前提にしていますのでご了承ください。

白御影石では石塔棹石(〇〇家之墓と刻んである石)正面に刻んだ文字が見えにくいことがあります。これは磨いた部分と磨いていない部分の色調の差が顕著でないことが理由です。

ただし同じ石に同じ文字を刻んだとしても、お墓の建つ位置や向きによっても見え方に差が出ます。また、一日のうちでも朝と夕でも見え方に違いが出ます。これらは影の影響も関係しています。

弊社では白御影石の場合、正面文字の中に薄く溶いた白ラッカーを入れることが多いです。濃く入れてしまうと文字だけが目立って強調されてしまうという理由からです。

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上の写真は左側が文字彫刻サライ仕上後。右側が薄く溶いたラッカーを入れた状態。撮影時間に差があるため、右側写真の文字が妙に白く浮き出ているように感じますが、実際にはもう少し薄く見えます。

例え濃く白を入れずとも、建墓して年数を経るうちに文字部分が適度に汚れ、文字がはっきりとわかるようになってきます。汚れ=いけないことと感じるかもしれませんが、換言すればエイジング。この文字彫刻の部分に関しては一概に悪いとは言い切れないと思います。適度な汚れは落ち着き感をもたらしてくれます。

この文字に色を入れるという部分ですが、地域によって違いがあります。濃く白を入れるところもありますし、黒を入れているところもあります。濃い青?を入れているところもありました。また、金箔を張り付ける地域もありますね。

地域差ばかりでなく、石材店によっても対処の仕方は異なるはずで、色など何も入れないという石材店さんだってあることでしょう。このあたりは考え方にもよるのでいい悪いという話では片づけにくい部分です。建立地の地域性をもとに、石屋さんと打ち合わせるといいのではないでしょうか。

ちなみに色調の濃い石材(黒御影石など)の場合、文字を刻んだ部分と研磨の部分とで色調の差が出ます。なので特に色を入れなくても文字はよく目立つと思います。

なお、建立年や施主名・戒名などの細かい文字に関してはまた違ってきますので、別の機会に譲りたいと思います。

また、よろしくお願いします。